膠・ドーサ


膠 ドーサ 膠液 ドーサ液 日本画


膠の種類

三千本膠
牛皮が原料の手作業で製造される「和膠」で、三千本で一貫目になる事からこの名が付いています。
吸水性のある不純物が適度に混じるため、柔軟で接着力が穏やで、日本画用の膠としてよく用いられています。

粒膠
牛皮が原料の「洋膠」(工業用機械生産品)で、板状のものを細かく粉砕したものです。純度が高く、接着力や乾燥時の張力が強いのが特徴です。
粘度や張力などを画用に調整した粒膠もあります。

膠液
洋膠を初心者向けに使いやすく調整し、液状にしたもので、防腐剤が入っています。

※従来の製法による三千本膠は製造中止となりましたが、現在、新たな製法で製造されています。

 

乾燥鹿膠
洋膠を二次加工したもので、透明度が高く接着力に優れています。
主に夏場の湿度の高い時期に使われます。防腐剤が入っています。

軟靭鹿膠
乾燥鹿膠を改良したもので、湿潤剤を加える事により乾燥時の張力を和らげ、ひび割れを最小限に抑えてあります。
主に冬場の乾燥した時期に使われます。

特殊鹿膠
より接着力の高い膠で、梅雨時など湿気の多い時期に用いられます。また文化財の修復等にも用いられています。

鹿膠(瓶入)
軟靭鹿膠をゼリー状にしたもので、初心者や絵画教室での使用、急ぐ場合の小作品などに使われます。

強靱鹿膠(瓶入)
膠液よりもより強い接着力があります。防腐剤が入っています。

※現在では、兎膠を除くほとんどの膠が牛皮を原料としています。「鹿膠」も牛膠の商名です


京上膠
牛皮を原料とする和膠。製造過程での洗浄が少なく漂白を行わないため、三千本膠に比べて色が黒く、ほとんどが墨の原料として使用されます。
また添加物が少ないことから文化財の補修に使用される事もあります。

兎膠
主に西洋絵画の技法で、テンペラ画等の下地のバインダーとして用いられます。良質で、接着力と耐水性に優れています。

パール膠
丸い粒状の膠。ニベと呼ばれる魚の皮・骨などから製造された膠質の輸入品を二次加工したもので、三千本膠より接着力や張力があります。
兎膠の代用品として使用されていましたが、現在は販売されていません。

※以前は「パール膠」が「粒膠」と表記される事がありましたが、パール膠が廃番となったため、現在は板状の洋膠を粉砕したものが「粒膠」と呼ばれています。


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